これを書いているヒト

2015年7月23日木曜日

【日記】マグリットの空



まだ明るい東京の夕空
ビルの合間からカメラを向けて空を撮る
ビルと空のコントラスト
その強烈な明暗をみて、思った。

「ああ、マグリットの空だ」

幼いころ、印象派の先生の元で絵を習っていたことがあった。
父は印象派やロマン派の絵が好きで、自分もよく早朝からふらっと写生に出かけては、絵を描いていた。
朝ごはんに呼びに行くと、大抵は父の後ろで絵を眺めているヒトがいたので、すぐにみつかった。素人目にもだいぶ上手かったと思う。
そんな家に育った。

中学生になって、美術の教科書で「シュールレアリズム」を初めて知った。
サルバドール・ダリ
ルネ・マグリット
デ・キリコ

ハンマーで頭を殴られた感覚というのは、これが初めてだった。
すっかり魅せられた。
かといって、こんな絵は逆立ちしたって描けなかった。

程なくして絵は描かなくなった。
どうしたって、父より上手くなれないと思ったし、まわりが望むような印象派のタッチではもう描きたくなかった。
今でも絵を見るのは好きだけど。

モネのようなふわっとした世界より、不安を掻き立てるようなシュールレアリズムな世界の方が東京にはふさわしい。

映った景色を見てそう、おもった。


光の帝国

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